エリア別旅行ガイド:ブータン西部

GUIDE TO WESTERN BHUTAN

ブータン西部 Western Bhutan

ブータン西部

ブータン西部とひとくちに言っても広大ではありますが、一般的に旅行者が行くことができるのはプナカ、ワンデュポダン(別ページ)、ポブジカなど主に東西を繋ぐ横断道路の周辺にほぼ限られます。

インド国境に接するプンツォリンは観光で行くことは基本的にありませんが、陸路越境する場合には重要なポイントのひとつ。空路での輸送に限界があるため、さまざまな物資の入り口でもあり、ブータン人にとっては命綱とも言える大変重要な場所です。

ポブジカ
Phobjikha / ཕོབ་སྦྱིས་

ポブジカ
ポブジカ遠景

ワンデュ・ポダンから東に広がる「ブラック・マウンテン Black Mountain」と呼ばれるエリアの中に、ポブジカの谷はあります。

ペレ・ラ峠(3,420m)の手前3キロあたりから南へ向かう道に入り、ロワ・ラ峠(3,360m)を越えるとヤクが放牧されている少し開けた谷が視界に入ってきます。

まず到着するのはガンテ(Gantey)の村で、村の集落の先にはガンテ・ゴンパ(Gantey Goemba)と呼ばれる1613年にペマ・ティンレイによって建立されたニンマ派の寺があります。2008年に大規模な改修工事が完了し、内装・外装ともに美しさを取り戻しています。

ガンテからさらに3キロのほど谷を奥に進むと、ブータン王立自然保護協会(Royal Society for the Protection of Nature: RSPN)のオグロヅル情報センターがあり、このあたりには11月から2月中旬ごろにかけてオグロヅル(Black-necked Crane)が飛来します。

オグロヅルは国際自然保護連合によって絶滅危急種(VUランク)に指定されているツルの一種で、世界でも約10,000羽しか生息していないとされています。冬の寒さの厳しい時期にしか見られませんが、150センチほどもある体に白と黒のコントラストが美しい姿は一見の価値ありです。

ポブジカの谷にある村ではこれまでオグロヅルや他の動物の保護のため、電線を引いていませんでした。

ポブジカの住民たちは自らの生活の便利さよりも、古くからの生活スタイルを維持しつつオグロヅルや動物たちと共生する道を選んだということで、エコロジー的観点から世界的にも注目されました。

2011年に一部地下に電線を通すことで谷に初めて外部から電気が送電されることになり、これまで厳しい冬でも暖房やお湯が限定的にしか使えなかった(太陽光発電しか無かった)ホテルなどで24時間電気が使えるようになりました。

ポブジカへのアクセス

ワンデュポダンから:車で約2時間〜2時間30分
ガンテの村からポブジカの村までは約30分ほど


Haa / ཧཱ་

ハはパロからチェレ・ラ峠(Cheli La 3,810m)を越えたところにある町で、どちらかといえば軍事的拠点の意味合いが強い町のため近年まで外国人の入域が制限されていたところ。

現在でも町の南側はブータン王立軍とインド軍の施設で占められています。

標高も2,670mと比較的高地にあり、東部のブムタン地方とならんでソバの栽培地としても知られています。

町の中は特に見どころがあるわけではありませんが、まだ外国人は珍しがられる地方でもあり、また素朴なブータン西部の田舎の空気を楽しむことができます。

ハ・ゾン(Haa Dzong またはワンチュロ・ゾン Wangchulo Dzong)は町の南にありますが、前述のように軍施設の多いエリアにあり、このゾンも現在はインド軍施設として利用されています。見学は不可能ではないものの許可が必要です。

ハへのアクセス

パロから:70km・車で約2時間〜2時間30分

パロ空港の南側から西岡チョルテン方面に続く道がハへ続く道です。途中で通過するチェリ・ラはブータン国内の自動車道路にある峠では最高地点。4月頃までは降雪することがあります。

ガサ
Gasa / མགར་ས་ར

ブータンに20あるゾンカク(県)のうち、唯一県庁所在地たるゾンまで自動車道が繋がっていないのがガサ。

プナカから50kmほど北のダムジ(Damji)までは車でアクセスできるものの、そこからは徒歩のみ。ガサの町はブータン随一の湯治場として知られていて、温泉施設があるので有名です。

※ガサの温泉施設は2009年に大雨による壊滅的被害を受け、現在復旧にむけた準備が進められています。

ガサはさらに北にある辺境の村ラヤ(Laya)への玄関でもあり、ラヤへはここから徒歩で2〜3日ほど掛かります。

ガサへのアクセス

プナカから:70km・車でダムジまで約2時間、ダムジから徒歩で約5〜6時間

ダムジ〜ガサ間は16kmの中級トレッキングコースといった感じで、アップダウンもさほど無い(高低差は200mほど)ので比較的歩きやすいルートではあります。ただし、12月〜2月頃の冬季と雨の多い時期は通行ができません。

プンツォリン
Phuentsholing / ཕུན་ཚོགས་གླིང་

インドとの国境に接する町で、外国人が陸路で出入国できる地点としてはブータン西部で唯一の地点。空路の物資運搬キャパシティに限界のあるブータンでは最も重要な交易の拠点で、町の規模も今やティンプーに次ぐものとなっています。

国境を挟んだインドの西ベンガル州・ジャイゴン(Jaigaon)とプンツォリンは国境ゲートこそあるものの事実上自由に行き来できるため、ブータン国内で唯一ビザ無しで入国できる場所でもあります。ただし、プンツォリンの町から先(ティンプー方面)へはいくつも検問所が設けられているため、ここから先はビザと通行許可が必要になります。国境ゲートは22時頃閉鎖されるので、どちらかに宿をとっている場合は閉まる前に戻る必要があります。

プンツォリンの町中の見どころはさほどありませんが、夜間にライトアップが美しい寺院サンドペルリ・ラカン(Zangto Pelri Lhakhang)や、町中から歩いて10分ほどのところにあるワニ園などが主な観光地です。

プンツォリンへのアクセス

ティンプーから:172km・車で約5時間
ティンプー〜パロ間のブータンで最も整備された道路を通り、3つの仏塔がある地点・チュゾム(Chhuzom)で分岐して南下します。チュゾムからはワン・チュ谷をひたすら南下し、ドブジ・ゾン(Dobji Dzong)、チャプチャ(Chapcha)、チュカ(Chhukha)、リンチェンディン(Rinchending)、カルバンディ(Kharbandi)などを経由してプンツォリンに至ります。交通量も多く、特にトラックが多く走るルートです。

インド・西ベンガル州シリグリから:169km・車で約4時間〜6時間
プンツォリンへインドから陸路でアクセスする場合は、西ベンガル州のシリグリをベースにするのがスムーズです。ダージリン・ヒマラヤ鉄道の起点として有名なシリグリ・ニュージャルパイグリ駅はコルカタ(約14時間)、デリー(約30時間)からの夜行列車が発着しています。シリグリの市内からプンツォリンへはバスが頻繁に出ている他、国境からやってきて帰りの客を探すブータン側のタクシーなども見つけることができます。

エリア別ガイドブック

エリアガイド・ティンプー

ティンプーThimphu

エリアガイド・パロ

パロParo

エリアガイド・プナカ、ワンデュポダン

プナカ&ワンデュポダンPunakha / Wanduepodang

エリアガイド・ブータン西部

ブータン西部Western Bhutan

エリアガイド・ブータン中部

ブータン中部Central Bhutan

エリアガイド・ブータン東部

ブータン東部Eastern Bhutan

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