エリア別旅行ガイド:パロ

GUIDE TO PARO

パロ Paro / སྤ་རོ་

パロの位置
パロ市街地全景

ブータンで唯一の国際空港のある、いわば玄関口となる町がパロです。

飛行機でブータン入りする時には最初に訪れる町でもありますが、人口は約15,000人の小さな町。山がちなブータンにあって比較的平野が多く、川(パロ・チュ、ド・チュ)の豊富な水量にも助けられてブータン随一の米どころとしても知られています。

PARO WEATHER

パロ中心部
Paro City Centre

パロ中心部

町の中心は空港・ティンプーに繋がる北西から南東に伸びる車道沿いの数百メートルの範囲内で、十分歩いて回ることができます。

メインストリートには商店が並んでいて、みやげ物屋も多くあります。

その南側(川と反対方向)には近年範囲が広がりつつある新市街があり、銀行や郵便局はこちら側にあります。

パロ・ゾン
Paro Dzong / Rinpung Dzong

パロ・ゾン

パロの町中の最大の見どころはやはりパロ・ゾン。

正式名称はリンプン・ゾン(Rinpung Dzong:宝石の山のゾンの意)。元々はチベット仏教寺院のあった場所でしたが、1644年にシャブドゥン・ガワン・ナムゲルが、宗教的・政治的・軍事的要塞として建設しました。

パロはチベットとインドの間にある交通の要衝でもあり、度々チベットの攻撃の対象となりました。1897年に起きた地震では大きな被害を受けなかったものの、1907年の火災で壊滅的被害を受けて再建されました。

パロの町から見て南東の丘の中腹にあり、入口は丘の上側、出口は下にあります。入口から少し離れた場所に石畳の広場があり、ここは春に行われるパロ・ツェチュのメイン会場となります。

見学を終えて出口から出ると川沿いまで坂道が続き、最後にニャマイ・ザン(Nyamai Zam)と呼ばれる伝統様式の橋を渡ります。この橋を渡って少し左に行くと、川と橋とゾンを入れた構図で写真が撮れるスポットがあります。

毎日9時〜17時の間入場・見学が可能です。

ダショー西岡チョルテン
Dasho Nishioka Chorten

パロ谷を見下ろす丘に建つ西岡チョルテンは、ブータンの農業発展に大きく貢献した西岡京治氏を称える仏塔で、遺灰もここに安置されています。仏塔の前にはゾンカ語、日本語、英語で西岡氏の功績を伝える碑も設置されています。

ダルシンの白い旗がはためき、広がる田んぼを見下ろせる気持ちの良い場所です。

西岡京治氏の功績については「ブータンと日本の関係について」の中でご紹介しています。

タクツァン僧院
Taktshang Goemba / Tiger's Nest

タクツァン僧院
タクツァン僧院

ブータンに数ある寺院・僧院の中で最も有名なのがこのタクツァン僧院。パロの谷から高さ900mの切り立った断崖の上に建つ聖地です。

タクツァンとは「虎のねぐら Tiger's nest」の意味で、チベット仏教をブータンにもたらしたパドマサンババ(グル・リンポチェ)が虎に乗ってこの地にやってきたことに由来しています。

下から見上げると断崖絶壁にどうやって登っていくのか不思議ですが、しっかり整備された山道があるのでご安心を。ただ、山歩きに適した靴は必要です。また、砂埃がひどい時があるので口や鼻を覆うタオルなどがあると安心。中腹にはレストハウスがあり、ランチ休憩をとることもできます。

山道を登り切ると谷を挟んだ向かい側に僧院の建つビューポイントがありますが、ここからまた200メートルほど一旦下って登るというある意味罠のようなルートがあります。入口までたどり着いたらカメラ、スマホ、荷物をすべて預けて中を拝観することになります(内部の撮影は厳禁)。

この僧院は複数の寺院で構成されていて、パドマサンババが3ヶ月に渡って瞑想をした洞窟のあるペルブ・ラカン、パドマサンババ八変化像のあるグル・サンジェム・ラカンなどがあり、場合によっては入れないものもありますがそれは運次第。

実はこのタクツァン僧院は1998年4月19日に不審火により全焼、2000年〜2005年にかけて巨額の予算を投じて再建されています。

タクツァン僧院はパロ中心部から北へ約8キロの位置にあり、崖の下までは車で行くことができます。

駐車場からは整備されたハイキングコースを歩き、約1時間〜1時間30分でレストハウス、そこから約30分でタクツァン僧院に到着します。レストハウスで標高がちょうど約3,000mとなりますので、酸素濃度は薄くなってきています。ゆっくりと歩くことを心がけましょう。レストハウスまでは馬に乗って登ることも可能です。

ちなみに実現するのはいつになるか全くの未定ですが、駐車場からレストハウスまでケーブルカーかロープウェーを建設するプランも存在します。

キチュ・ラカン
Kyichu Lhakhang

キチュ・ラカン

キチュ・ラカンはパロの中心部から川沿いに5キロほど北上した場所にある寺院で、659年にチベット(吐蕃)王ソンツェン・ガンポによって建立されたものとされています。

ソンツェン・ガンポは仏教の布教のために108の寺院を建立したとされていて、そのうち現存するのはこのキチュ・ラカンとブムタン地方のジャンパ・ラカンのみとなっています。

旧堂(ジョ・ラカン)と新堂(グル・ラカン)が寄り添うようにして建っていて、新堂は1968年に第3代国王の王妃ケサン・ワンチュクによって建立されたものです。旧堂には本尊であるお釈迦様と千手観音が、新堂にはパドマサンババ像が安置されています。

小さな中庭にはミカンの木が一本立っていて、なんとも不思議な空間。

ドゥゲ・ゾン
Drukgyel Dzong

ドゥゲ・ゾン

ドゥゲ・ゾンはキチュ・ラカンからさらに北に7キロほど奥へ入ったところにあるゾン跡で、現在は廃墟となっています。

1644年のチベット侵攻戦の勝利を祝ってその侵攻ルート上に建設されたゾンで、1648年に再度チベットが侵攻してきた際にも大きな成果を挙げています。その後もパロ北部地方の行政の中心として機能していましたが、1951年にバターランプが火元の火災が発生してしまい焼失。残念ながら現在は草と苔に覆われた廃墟となっています。

天気の良い日にはドゥゲ・ゾンの背後に、ブータンで2番目の高峰・チョモラリ(Jomolhari 7,326m)の姿を望むことができます。

エリア別ガイドブック

エリアガイド・ティンプー

ティンプーThimphu

エリアガイド・パロ

パロParo

エリアガイド・プナカ、ワンデュ・ポダン

プナカ&ワンデュ・ポダンPunakha / Wanduepodang

エリアガイド・ブータン西部

ブータン西部Western Bhutan

エリアガイド・ブータン中部

ブータン中部Central Bhutan

エリアガイド・ブータン東部

ブータン東部Eastern Bhutan

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