プナカ & ワンデュ・ポダン Punakha and Wandue Phodrang / སྤུ་ན་ཁ་ & དབང་འདུས་ཕོ་བྲང་
プナカとワンデュ・ポダンはパロやティンプーからもアクセスが良く、多くの旅行者が訪れるエリアです。
とはいえ車でしかアクセスできず、途中険しい山道と峠を通過しますが、運が良ければその道中からは美しいヒマラヤ山脈を望むこともできます。
プナカ
Punakha / སྤུ་ན་ཁ་
谷の合間に棚田が広がる景色が印象的な古都プナカは、1955年に首都がティンプーに移されるまで首都として機能していた町です。ティンプーよりも標高が1,000m以上低く、通年で温暖なため米の二毛作の他バナナやオレンジなどの農業が盛んな地域です。
ここの見どころはなんといってもプナカ・ゾン(Punakha Dzong)。
1637年にシャブドゥン・ガワン・ナムゲルによって建設された別名「最上の幸せの宮殿(Pungthang Dewachen Phodrang)」とも呼ばれる壮麗なるゾンで、2つの川が合流する地点に建っています。
冬の間、寒冷なティンプーからジェ・ケンポ(大僧正)が移られて居城となるため、タイミングによっては直接拝謁の上で祝福を与えていただくこともできるかも。
内部は3つの中庭があり、3つ目の中庭の先にある講堂の右側のお堂「マチェ・ラカン(Machey Lhakang)」にはシャブドゥン・ガワン・ナムゲルの遺体が安置されています。
プナカの少し手前、ソプソカの村から周囲を田んぼに囲まれた農道を10分ほど歩いて行くことのできるお寺、チミ・ラカン(Chimi Lhakang)は散策に最適です。
チミ・ラカンは1499年に建立された、風狂の聖人ドゥクパ・クンレイゆかりの寺。子宝の寺として知られていて、日々多くの女性が訪れています。
ティンプーから:76km・車で約2時間30分〜3時間
ティンプーを出発してしばらくすると、ゲートと小屋のある検問所を通過します。このあたりはチベット系住民の多く住むエリアで、名産のリンゴやヤクの乾燥チーズを売る屋台が出ています。
その後約30〜40分で、3,140mのドチュ・ラ峠に到達。峠の頂上には2005年に整備された108個の仏塔(チョルテン)が立つ公園があり、景色を見ながら一休みできます。天気の良い日の午前中にはここか、少し先にあるドチュ・ラリゾートの展望台からブータン最高峰のガンカー・プンスムなどヒマラヤ山脈の雄大な景色を遠くに望むことができます。
ワンデュ・ポダン
Wangdue Phodrang / དབང་འདུས་ཕོ་བྲང་
ワンデュ・ポダンはティンプーと中部・東部を繋ぐ東西横断道、そして南部を繋ぐ道路の合流地点にある交通の要衝。
川(プナツァン・チュ)に挟まれた細い谷にあり、それを見下ろすように丘の上に建つのがワンデュ・ポダン・ゾン(Wandue Phodrang Dzong)。
1638年にシャブドゥン・ガワン・ナムゲルによって建てられ、特に南からの侵略を牽制するために大きな意味を持っていたゾンです。ワンデュとは、シャブドゥンがこの地を初めて訪れた時に川で遊んでいた少年・ワンディ(Wandi)に由来しています。
現在、町は4キロほど北の新市街への移設が進められていています。
2012年6月24日午後、ワンデュ・ポダン・ゾンで漏電が原因とみられる火災が発生し、ほぼ全焼しました。一部の重要な像や文化財は持ち出すことができたとのことですが、特に行政部門にストックされていた統計や資料がすべて失われてしまったということです。
プナカから:21km・車で約30〜45分
ティンプーから:97km・車で約3時間〜3時間45分