ティンプー Thimphu / ཐིམ་ཕུ་
ブータン王国の首都、ティンプー。国王陛下の居住地であり、ブータン国内最大の都市です。
ブータンの他の町や村では見られないほどの車が走り、店があり、行き交う人々もどこか垢抜けた感じのある町です。
それでも町中には信号はひとつもなく、町の中心といえるノルジン・ラム通りとチョルテン・ラム通りの交差点では警察官が日夜て信号で車を捌いている、どこかのんびり感のある首都です。
町は谷に挟まれた川(ティンプー・チュ)に沿って南北に細長く広がっています。
タシチョ・ゾンや国会議事堂などの官公庁が町の北部にあり、中心部はその南、そしてさらに南のパロ、チュゾム、プンツォリンに続く車道沿いのエリアは開発が急ピッチで進められていて、鉄筋アパートやショッピングモールが続々と建設されています。
今後数年で「旧市街」と「新市街」というような構図が出来上がるのかもしれません。
ティンプー中心部
Thimphu City Centre
街の中心はノルジン・ラム通り沿いにある時計塔広場周辺あたり。ドラゴンツアーズでは通常この周辺のホテルを手配していますので、ガイドなしでもこのあたりは自由に散策可能。
時計塔広場からノルジン・ラム通りを少し北に進むと、警察官が手信号で車を捌く交差点があり、ここから数百メートルにわたってショッピングストリートになっています。布地や民族衣装のゴやキラを扱う店もいくつかあり、初日にここで仕立ててお土産にしたり、旅の間に着てみるのもお勧めです。
ノルジン・ラム通りの西側を並行して延びる通称・ホンコンストリート、東側のチャンリミタン競技場寄りのチャン・ラム通りにはレストランやカフェ、バーが増えつつあります。
タシチョ・ゾン
Trashi Chhoe Dzong
タシチョ・ゾンは国王の執務室や各官公庁、そしてブータンにおける仏教の頂点に立つ最高僧ジェ・ケンポの居室がある、いわばブータン王国の中枢を担う施設です。
元々は現在のデチェン・ポダンの場所に建てられたドゲン・ゾン(Dho-Ngen Dzong:青い石のゾンの意)が、1641年にシャブドゥン・ガワン・ナムゲルのものとなりタシチョ・ゾン(偉大なる宗教の砦)と呼ばれるようになったのが由来です。
タシチョ・ゾンには僧侶や行政官などを集中させていましたが、増改築に限界あったことや1771年の火災などで被害を受けたことから新築・移転し、その後も増改築が繰り返され現在見られるような姿になりました。
釘を使わずに木材を組み合わせるブータンの伝統工法で建築された赤と金で彩られた細かな装飾の美しい建物で、その大きさもさることながら訪れる者にある種の威厳を感じさせます。
平日は9時〜18時、土曜・日曜は8時〜18時(冬季は17時まで)の間入場・見学が可能。
メモリアル・チョルテン
National Memorial Chorten
町の南のはずれにある純白の巨大な仏塔で、第3代国王ジグメ・ドルジ・ワンチュクの遺志により1974年建てられたものです。
毎日参拝に訪れる人が絶えることはなく、時計回りに周回して祈りを捧げています。鍵が開いていれば内部の見学も可能。
中心部からはチョルテン・ラム通りを歩いて10分ほど。
チャンリミタン競技場
Changlimithang Stadium
ティンプー中心部の東側、ちょうど時計塔広場の裏手側にあるブータン最大の競技場。
1885年にウゲン・ワンチュクが諸勢力を破った「チャンリミタンの戦い」があった古戦場跡で、ワンチュク王朝が覇権を確固たるものとした場所でもあります。2008年に第5代国王戴冠式もここで行われ、その際に大規模な改修工事が行われました。
観客席は北側と西側スタンドのみで、東側は王室関係者専用のロイヤルボックスとなっています。2月の国王誕生日には毎年セレモニーが行われますが、国王本人が出席するとは限らないのでご注意を。
隣には弓術「ダツェ」のグラウンドもあり、こちらではよく試合が行われているのを観ることができます。
ウィークエンド・マーケット
Weekend Market
ティンプーの町中で最大の市場で、土曜日と日曜日(場合によっては金曜日から)開かれています。
場所はチャンリミタン競技場の裏手を川沿いに少し北上したところ。2階建てになっていて、中は結構広めですが所狭しと野菜、果物、米を売る農家の人の屋台で埋めつくされています。お香や仏具を扱う店もあります。
また、目の前にかかる橋を渡って対岸へ行くと、伝統工芸品や土産物などを売る別のマーケットが開かれているのでこちらも是非。
ドルデンマ大仏像
Buddha Dordenma
ティンプー市街地南西の丘にある巨大な仏像がドルデンマ大仏像(ブッダ・ドルデンマ)。
日本でも馴染みのある黄金の釈迦如来像で、プナカ条約(英領インドの保護国となり、ブータンを国として維持するための条約)締結100周年の記念事業として建立されたもの。
ティンプーの町と谷を見渡すことができるので、旅行者にとっては絶好のビュースポットであり、ローカルの人々にとっても数少ないデートスポットのひとつ。