ブータンの国内交通事情について

LOCAL TRANSPORTATION IN KINGDOM OF BHUTAN

ブータンの国内移動はどうすればいい?

ブータン旅行でよく利用される専用車

基本的に観光目的でブータンへ行く場合移動は原則として車(事前に手配した専用車)になるため、それ以外の交通手段を意識することはあまり無いかもしれません。

そもそもブータンには鉄道はなく、旅行者が利用できる交通手段は「飛行機」と「車」しかありません。

道路事情と陸路での移動について

ブータン中部、ルクブジ村周辺の道路

ブータン中部、ルクブジ村周辺の道路。ガードレールもあり、比較的きれいに整備されています。

一般的にブータンを訪れる旅行者がお世話になる交通機関は、車です。

ブータン国内の道路は総延長約8,050キロに達します。そのうち約5,000キロが舗装されていて、年々舗装道路延長は伸びています。

道路網そのものは非常にシンプルで、プンツォリンからパロ、ティンプー、プナカ、トンサ、ジャカル、モンガルを経てタシガンへ至る約560キロの東西横断道(現地ではハイウェイ、またはラテラル・ロードと呼ばれています)と、そこから南北へ分岐する支線道路という構成になっています。

東西縦断道は基本的に舗装道路ではあるものの、平均して2メートル台の狭い片側1車線道路となっています。また、各所で拡張工事やがけ崩れなどによる道路修復工事が多いため、舗装されていなかったり道幅が極端に狭くなっていたりする場所もあります。また信号はひとつもありません。

例外として、パロ〜チュゾム〜ティンプー間は全線片側2車線工事が完了しているためこの区間はスピードも出せて非常に走りやすくなっています。しかし、それ以外の区間では平均しても20キロ程度のスピードしか出すことはできません。近年はパロ〜ティンプー〜プナカの区間では物資運搬のトラックなども多く、交通量が増大しているため余計に時間が掛かる傾向にあります。

ブータン国内の道路には「ラ(峠)」があり、古くは徒歩やロバなどで越えていた難所です。ブータンで自動車道が整備され始めたのは1960年代以降ですが、基本的には古来からの道をそのまま拡張していて、トンネルを造ることはせずに地形に沿った形で敷設されています。これには予算的な問題もありますが、基本的な考え方としては山は神聖なものとして捉えられているため、極力傷つけることはしないという信念に基づいたものでもあります。

東西横断道にある主な峠は5カ所で、峠の頂上には仏塔やお堂、マニ車が設置されていて、ダルシン(死者への祈りを捧げる旗)がはためいているのがよく見る光景です。

ブータン国内の主要道路図

通常、ドラゴンツアーズのブータン旅行手配では専用の車をご用意することになりますので、公共交通機関を使う機会は基本的にはありませんが、利用そのものは特に制限されていないため、旅程にバス・タクシーなどの利用して移動することは可能です。

町から町の移動は主にバスとなり、中型の20〜30人乗りのバスが運行しています。ティンプーを起点としている路線が多く、早朝出発〜夕方到着で移動できる範囲(例えばティンプー〜ジャカルなど)が1路線となっています。タクシーでも近距離の町の移動であれば可能で、基本的には相乗りになりますが割増料金を支払うことで貸切にすることもできます。

町の中の移動でタクシーを使うことはあまり無いかもしれませんが、ティンプー、パロ、ジャカルなど町のエリアが広い場所では利用価値があります。また、パロ空港〜パロ中心部・ティンプー間などでも利用可能で、バンコクなどからのフライト時間にあわせて空港到着口前に多くのドライバーが集まります。

タクシーの料金は交渉制なので、乗車前にしっかり料金を確認することが必要です。英語を話すドライバーは限られていますが、数字の交渉程度であれば英語でOKの場合が殆どです。

ブータン国内線のフライトについて

ドゥルクエア・ATR42

パロ空港に駐機中のドゥルクエア・ATR42

ブータンの国内で現在稼働中の空港は、バンコク、デリーなどからの国際線フライトが発着するパロ空港(PBH)、東部のタシガンにあるヨンプラ空港(YON)、そして中部ブムタン地方にあるバトパラタン空港(BUT)、南部のゲレフ空港(GLU)の4空港です。

ドゥルクエア(KB)はターボプロップ機のATR42運用での国内線を運航していて、季節にもよりますが以前に比べると安定的に運航できています。

ブータンエアラインズ(B3)は前身のタシエアラインズ時代にピラタスPC-12という小型機でパロ〜ブムタン、パロ〜タシガンなどを運航していましたが、現在は国際線のみ運航していいます。

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