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ブータン旅行の健康と衛生事情

ティンプーゲートの近くでりんごやヤクのチーズを売る屋台

ブータンは決して衛生状態の悪い国ではなく、むしろ近隣の南アジア諸国に比べると全体的に見て良好とも言える状況です。
国の大部分のエリアで標高が高く、比較的気温が低いこともあって、南アジアに多い伝染病なども通常の旅行をする範囲ではあまり心配する必要はありません。

しかし、ブータンでは人々の心に強く根付くチベット仏教の教えから無駄な殺生を好まないこともあり、害虫駆除などにはあまり熱心ではありません。
通常のホテルではあまり問題にはなりませんが、田舎の一部の宿泊施設や民家泊などをする場合は虫に悩まされることもあるかもしれません。蚊取り線香は備え付けてあることも多いですが、極力日本やタイから虫除けスプレーと痒み止めは持参いただくほうがお勧めです。

トイレ事情

ブータンのホテルなどにあるトイレは基本的に洋式で、使い慣れたものですので心配いりません。
タイなどでよく見られる水が噴出するホース(シャワー)が横に備え付いている場合もあり、手動ですがウォッシュレットにもなります。

標高の高い場所のレストハウスなどでは水を流すレバーが付いていない、もしくは付いていても動作しないことがあります。こういった場合は必ず横に水のはられた大きなバケツと柄杓(洗面器のときも)が浮いていますのでそれを流し入れて手動で流します。

ブータン旅行の際にはつきものの長距離移動の際は、できるだけ事前にトイレに行っておくのが好ましいですが、標高の高いエリアを通過することも多いので極力水分は大目にとっていただきたいところです。このあたりはガイドブックなどでも言葉を濁しがちなところですが、トイレに行きたくなったとしても水分補給は怠らないほうが体調、ひいては旅のために良いです。
1時間程度ガマンすればトイレのある場所を通ることは多いですし、いざとなれば周囲に何もない場所で野外で、ということも特に問題はありません。ブータン人にしてみても、それは普通のことです。

ブータンで罹る可能性のある病気

罹る病気というと少し大げさな表現かもしれませんが、以下については用心していただくにこしたことはありません。

高山病(Altitude Sickness)

高山病は主に2,000m以上の高地に滞在している際に、低酸素状態となることによって様々な症状が出ることの総称です。
頭痛や吐き気、めまいが主な症状で、低酸素状態になってすぐ〜数時間で発症しますが、通常はそのまま数日の間には自然解消することが殆どです。
ブータンを旅行する際は殆どの場合航空機でパロ国際空港に到着しますが、既にこの地点で標高2,300mあるため、人によっては多少の不快感を感じることがあるかもしれません。ただ、この標高では重篤な症状に発展することは殆どありませんので、深呼吸をする、水を多めに摂る、ゆっくり歩く、など少し気をつけるだけで回避できる、または回復します。

東西横断道路沿いに旅行する場合は標高が4,000mを超えることもなく、数日かけて車で移動するためリスクは低いといえますが、体調が優れないと感じたときには無理に移動せずスケジュールを調整することも重要です。
トレッキングやハイキングを予定している場合は、必ずガイドの指示に従い高度順応ができていることを確認してから行動するようにしましょう。

高山病は運動能力や体調に関係なく発症する可能性があります。少しでも体調の異変を感じた場合は自重することも大切です。

下痢・食中毒(Diarrhea/Food poisoning)

一番多い「病気」は、やはり下痢や食中毒、それによる腹痛など。
水道水は飲用には適していないので、必ずボトルのミネラルウォーターなどを飲むこと。それも古くなっていたりすることがあるので、購入する際に必ず確認するようにしてください。
食べ物はどうしても人によって合う合わないもあるので一概にはいえませんが、ちゃんとしたレストランやホテルで食べる食事は衛生的には全く問題ありません。
屋台のような場所や完全ローカルの食堂などで食事をする際は、調理されたものそのものよりも、調理に使う器具や食器などが汚れている場合がありますので、これは下痢や腹痛の原因となります。
また、唐辛子を使った料理が多いため、胃腸の弱い人は控えるか、胃薬・整腸剤を持って行くことをお勧めします。

下痢になってしまった場合は、必ず水分補給をしっかりとすることが重要です。こういった場合は水よりも電解質やミネラルを含んだスポーツドリンクを飲むのが効果的です。スポーツドリンクは地方では入手しにくい場合も多いので、粉末のものを予め日本から持ち込むのがお勧めです。

狂犬病(Rabies)

ブータンは非常に野犬の多い国です。町中でも田舎でも、いたるところで野良犬がゴロゴロしています。
基本的におとなしいので人を襲うようなことはありませんが、狂犬病の予防注射をしている犬はほぼ皆無のため、近づいたりなでたりかまったりは極力しないほうが無難です。

HIV/エイズ(HIV/AIDS)

ブータンのHIV/エイズの罹患・発症率は途上国の中では低い方に分類されますが、HIV感染予防は国家レベルで取り組んでいる最重要課題のひとつです。
他のアジア諸国と違い風俗産業は皆無ですが、旅行中の性交渉が無いとも限らないと思う場合は必ずコンドームを持参しましょう。日本で購入したものでなくても、タイやインドで購入したものであれば品質上の問題は基本的にありません。
現地でも薬局や商店で購入可能な他、町中・ホテルに設置されたの専用箱(政府が無料配布しているもの)で入手可能ですが、品質が良くなかったり使用期限が切れていたりということもあるので注意が必要です。
尚、女性用避妊具やピルは現地入手不可です。

マラリア/デング熱(Malaria/Dengue fever)

どちらも蚊が媒介して感染する病気で、主にブータン南部で感染する可能性があります。プンツォリンで出入国を予定している場合や、タシガン、ペマガツェル、サムドゥプ・ジョンカ方面へ行く場合は要注意。南部の温暖な地域、標高1,000m以下の地域に行く場合は、蚊取り線香と虫除けスプレーを事前に用意して持ち込む方が吉。ブータン国内ではティンプーなどを除き、地方では入手が困難な場合があります。

ブータンで病気になってしまったら

ブータンでしっかりとした設備がある病院はティンプーの「ジグメ・ドルジ・ワンチュク国立病院」のみで、ブータン人でも外国人でも治療は無料で受けることができます。
地方では基本的に村医者の診療所程度の設備しかなく、それがあればまだ良い方です。
軽い症状や投薬程度の治療で治るものであればティンプーでも問題ありませんが、手術や入院となる場合はインドもしくはタイへの移送が必要となります。
また、発症した場所によってはティンプーへ行くよりもインドへ出るほうが早いこともありますので、それはその場で判断する必要があります。

インド・タイへ移送となる場合は飛行機(緊急の場合はインド空軍ヘリ)を利用するため、高額の移送費・治療費を請求されます。これに備え、海外旅行傷害保険には必ず加入するようにしてください。