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GNH(国民総幸福量)について

プナカでお寺にお参りに行くひとたち

GNHとはGross National Happiness、日本語に訳すと「国民総幸福量」で、単純にいえば「国民が幸せかどうか」を計る尺度のこと。

1972年に第3代国王ジグメ・ドルジ・ワンチュク陛下が提唱し、1976年のコロンボ会議で「Gross National Happiness is more important than Gross National Product」と発言したことで世界的に注目されました。この発言からも分かるように、GNHとはGNP(総生産)よりも重要視されるべきであり、すなわち経済的な発展が国民の幸福に必ずしも直結するとは限らないという、資本主義世界で経済発展が第一とされてきた風潮に一石を投じています。

ブータンは経済的な指標でみると、LDC(後発開発途上国)に分類され、世界の中でも経済的発展・開発の遅れている国のひとつとして数えられます。
しかしこれはあくまで「個人の消費や設備投資などから計る経済的指標」であるため、工業・産業が未発達で国民の大部分が農業に従事し、自給自足の生活を送っていることは考慮されていません。そして、何よりもブータンの国民は「今の生活が幸せか?」という調査に対し、約9割が「とても幸せ」か「幸せ」と回答しているように、決して国の経済的貧困が国民の幸せと結びついているわけではないことがわかります。
またわかりやすい対比として、世界第3位の経済大国である日本で同じ調査をすると「幸せ」と回答するのはわずか10%台となります。つまり、経済的発展も必ずしも国民の幸せには結びつかないのです。

第4代国王ジグメ・シンゲ・ワンチュク陛下が即位すると、ブータンには経済的発展と独立、繁栄、そして幸福を実現することが命題であると国民に語りかけています。
日本やその他の国からのODA(途上国開発援助)に歳入の大部分を頼っている現状もあり、国として独立を保ちつつ国際社会で生き抜くためには経済発展は当然必要ではあるが、経済発展そのものがゴールではなく、あくまで国民の幸せを実現するためのプロセスであると定めたのです。

1998年には現首相でもあるジグメ・ティンレー氏が、ブータンにおけるGNHの発展・継続のための以下の4つの柱を挙げています。

1:健全・公正な社会経済の持続的発展
2:文化の継続的な保護と促進
3:環境保全
4:良い統治

経済的発展こそが幸せのゴールであると信じてきた先進国の国民は、本当に幸せなのでしょうか。
金融不安、生活保護、鬱、自殺、といった負のキーワードばかりが目についてしまう日本を含む先進国にとって、これほど目から鱗の落ちる政策は無いのではないでしょうか。

「今あなたは幸せですか?」「本当の人生の幸せって何?」

その答えは、ヒマラヤの中にある貧しいけれど皆が幸せに暮らす小国にあるのです。